インサイダー取引って言葉自体は主に株の取引で用いられる言葉ですが、実は仮想通貨にも用いられています。
そこで今回はインサイダー取引について理解を深めつつ、仮想通貨にどんな影響を及ぼすのかを解説していきます。
インサイダー取引とは?
インサイダー取引とは、会社関係者が売上に影響する重要な情報を発表前に漏洩させ、特定有価証券等の売買を行い利益を上げることです。
そのためインサイダー取引が世間に公表されることで市場の信頼を最大限に失ってしまう不正の取引になっています。
例えば
1.会社Aが3ヵ月後上場することになり、会社役員に伝達されたとします。
2.会社Aの役員は会社Bへ「上場する」との情報を伝え、株を購入をあおぎます。
3.3ヵ月後見事に上場し株価があります。
4.会社Bは会社Aの株を売り、利益を上げることに成功します。
5.その代償として利益の数%を会社Aの役員へと流します。
これがインサイダー取引と言う不正取引になります。
インサイダー取引には重い罰則が下ります。
インサイダー取引の罰則
インサイダー取引の事実が表に出ると、罰則として
・個人の場合
「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科」
「得られた財産の没収または追徴」
・法人の場合
「行為者を罰する他、当該法人も5億円以下の罰金」
が課せられます。では仮想通貨の場合はどうなるのでしょう。
仮想通貨におけるインサイダー取引って?
仮想通貨の価格は市場の需要と供給で価格が決まっているため、流通量そのものが通貨の価値として考えられます。
そのため仮想通貨を買う人が増えれば価格は上がり、売る人がいれば価格が下がることになります。
参議院から出された答弁書では仮想通貨は「通貨・法貨・有価証券」に該当しないとのことでした。
つまり現在は金融商品販売法は適用されないことになります。
今後仮想通貨のインサイダー取引が考えられる可能性として
1.富裕層がある仮想通貨を大量に購入して価格を上げる動きを見せる
2.それに反応した市民が後から購入する。
3.価格が上がった瞬間に富裕層は仮想通貨を売却する
と言う出来事が起こる危険性もあるわけです。
実は仮想通貨の取引では、これに似た取引が既に起こったのでは?との噂がありました。
噂になった仮想通貨のインサイダー取引とは?
2018年1月31日に国内取引所「bitFlyer」に仮想通貨Liskが上場すると公式から発表がありました。これはbitFlyerでLiskの取引が可能になるアナウンスになります。
この発表で全体的に下降気味だった仮想通貨の価格でしたが、Liskのみ価格の上昇の兆しをみせていました。
さらに公式で発表される数分前には取引高が急増したとも言われています。
この出来事で何らかの理由で上場する情報を得ていた者がいたのではないかと話題になりました。
なぜ公式で発表される数分前には取引高が急増したのか。
実はTwitterにてインサイダー取引をほのめかすツイートがされていました。
仮想通貨のインサイダー取引をほのめかすツイートをした人物は複数いました。
彼らは
・かなり前から知っていたおかげで死ぬほど儲かった
・インサイダー取引をありきの世界
と発言しています。
しかしこれらの発言に対し、株価を評価する発言から価格に影響を与えて自己利益に繋がるようなポジショントークではないか?との発言もあります。
残念なことに今回のツイートが事実を語っているかどうかを確かめる方法は現状ありません。
ただし取引所であるbitFlyer側に非があるわけではありませんので、安心して取引に望んでください。
では今後、仮想通貨の取引はどうなっていくか検証してみましょう。
仮想通貨のインサイダー取引が規制される可能性は?
今後仮想通貨の取引が規制される可能性はかなり高いです。
というのも、既に仮想通貨交換事業における認定自主規制協会を目指す団体が設立されたためです。
この団体は仮想通貨交換業者16社が集まってできています。金融商品取引法で規制されていないため罰則がない仮想通貨取引でしたが、今後の仮想通貨の課題でもあるセキュリティ面に加え、インサイダー取引についても規制し整備を行うと発表がありました。
これらを踏まえ、いずれ仮想通貨の取引にもしっかりとした規制が作られる見解です。
仮想通貨の取引が規制されたら値動きにどんな変化が起きるの?
仮想通貨の取引が規制された場合、信憑性の高い取引が実現されます。
誰にも仕組まれない正当な取引が増えることで通貨自体の汎用性・利便性が証明されやすくなってきます。
そのため仮想通貨の情報に長けた人物が利益を出しやすい環境になることが考えられます。
しかしその反面、値動きも安定し価格の爆上げや億り人になることも少なくなってきます。
さらには仮想通貨の情報を持っていない人に付け込んだ悪徳商法も出回りやすくなってきます。
しっかりとした仮想通貨の運用を目指すのであれば、価格の値動きだけでも注意してみておくことをおすすめします。
今後の仮想通貨の値動きが気になるところですが、どの仮想通貨を買えば絶対に儲かるのか予想することはできません。
ただし仮想通貨毎の時価総額や特徴をしっかりと理解するだけでも価格の見極めの材料となります。